一期一会
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新作アニメ『聖闘士星矢Ω』の女神アテナ役として降誕! 主題歌も担当!
中川翔子インタビュー
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現在、毎週日曜の朝6時半よりテレビ朝日系列全国ネットにて絶賛放送中の新作アニメ『聖闘士星矢Ω』。この番組内にて女神アテナ(城戸沙織)という最重要人物の声を演じ、かつ主題歌の『ペガサス幻想 ver.Ω』も担当しているのが、しょこたんこと中川翔子さんだ!
以前から『星矢』の大ファンだったというしょこたんに、『星矢』の魅力をたっぷりと語ってもらった。しょこたんの小宇宙の高さを感じるべし!
〈聞き手:"Show"大谷泰顕 / 写真:乾晋也〉- 「沙織さんとして、できれば言いたい台詞がひとつあるんです」
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――新作アニメ『聖闘士星矢Ω(オメガ)』では女神アテナ(城戸沙織)の声優と主題歌も担当と大活躍ですね!
中川 突然、選んでいただいたのでビックリしました。
――ブログでは「ミラクル!」と書かれてましたけど、話を聞いた時はどう思いましたか?
中川 ホントに直前に電撃的に決まったっていう感じだったのでビックリして心の準備がしきれないほどに。たぶん心の準備は一生かかってもしきれないほどなんでしょうけど、例えるなら脳の奥まで入って来ない感じでしたね。あまりのことに。
――そこまで!
中川 『聖闘士星矢』って言ったらもう伝説の、世界中で愛されている作品だし、地球上の人が主題歌の『ペガサス幻想』を聴くと小宇宙が燃えて笑顔になって、熱く元気になれちゃう。ファンタジーとワクワクドキドキ、夢、希望……、そういうものが全部詰まってるそんな作品であり、しかもアテナっていうキャラクターは神様なので……。
――「戦い」の女神ですもんね。
中川 究極ですよね。だからなんて言ったらいいか、もうプレッシャーがハンパなかったですね。嬉しいっていうこと以上にプレッシャーで……、でも嬉しいみたいな(笑)。やっぱり80年代のあの頃ってアニメのパワーが凄くて。いまみたいにたくさんアニメがやってて、結構ライトに見る感じじゃなくて、少年たちも本気でダンボールで聖衣を作り練習して、主題歌にしてもそのアニメの世界観を、その曲だけですべてを現すほどのクオリティで、しかもあの頃の東映アニメーションの力とか、いろんなことを思うとホントに凄い作品で。いまあらためて当時の『星矢』を見返してるんですけど、凄く作画もキレイで、当時の最先端を走っていたんだなってあらためて思いました。全然古くないし、だからこそリアルタイムで世界中に『星矢』が愛されている理由もあらためてわかったし。
――20年以上前に放送されていたアニメ『星矢』はリアルタイムで見ていたんですか?
中川 私が物心つく前くらいには(放送が)終わっちゃったので、うっすらとしか。(後半の主題歌になった)『ソルジャードリーム』の印象のほうがまだある感じですね。『ペガサス幻想』は中学生くらいになってアニメソングに興味を持ち出してからあらためてちゃんと聴いてカラオケでも凄く歌ってたんですけど、女子なので、男子の歌を熱唱するってあんまりないんです。
――そうなんですね。
中川 はい。ただ、『ペガサス幻想』だけは別でした。凄く気持ちがいい歌ですよね。
――原作は読まれてたんですか?
中川 原作の漫画は小学生の時に読みました。全巻セットを、母に自宅に近い中野ブロードウエイで買ってもらって(笑)。一気に読んじゃいました。特に(「十二宮編」と呼ばれる)黄金聖闘士編はまったく止まらなかったですね。
――好きなキャラクターは?
中川 やっぱり、ひと目惚れしたのはドラゴン紫龍でしたね。
――女子にはダントツ人気だったんですよね?
中川 やっぱりカッコいいし、すぐ(聖衣を脱いで)裸になるし、すぐ目が見えなくなるし(笑)。それと、すぐドシャーッて、首から落ちる「車田落ち」するし。
――「車田落ち」ですか。
中川 昔、『星矢』のゲームがプレステ2であって、その取材に行ったんですけど、その時、開発者の方が「ゲーム内では『車田落ち』を忠実に再現します!」って興奮しながら語っていて。その姿が忘れられないです(笑)。
――どの業界にも熱狂的な方がいるんですね。
中川 はい。『聖闘士星矢』を語る人ってみんなこうなるなっていう。そういう現象があるなって思いました。中川 それと沙織さんとして、できれば言いたい台詞がひとつあるんですね。
――なんでしょう?
中川 「馬になりなさい」なんですけど(笑)。
――幼少の沙織お嬢さんが口にした台詞だ(笑)。実際、女神アテナを演じてみてどうでしたか?
中川 やっぱり顔が見えちゃうのって凄く嫌なんですよ、アニメを見てる時に。芸能人が声優をやって、その作品の顔がその人にしか見えないのって凄く嫌なんです。いちファンとしてそれは凄く嫌なんですね。
――しょこたんに見られたらダメだと。
中川 そうなんです。見る方にはそう思われずに作品に没頭してほしいから。だから大人しくしていようと。アテナだから落ち着いていなきゃいけないと思って。声優をやる時に、『星矢』の原作や物語のイメージと、みんなの思いとがあるから、「なんだ、しょこたんかよ」ってなっちゃうのはわかるけども、せっかくアテナっていう重要なキャラクターが変になるのは絶対に嫌だから、できる限りしっかりやりたいっていう思いがあります。――それだけ『星矢』からはもの凄い影響を受けたんですね。
中川 アニメは物心がつくかつかないくらいだったんですけど、強烈に覚えてましたね。着ている聖衣の拳の丸いところ(指の関節部分)が凄く印象的だったので、拳の絵を油性ペンで実家にあった椅子に描いていたっていう(笑)。その椅子はまだ残ってるんですよね、実家に。
――あ、実家にまだある?
中川 はい。それだけ『星矢』って「伝説」の粋というか。アニメそのものというより、主題歌が最高のアニメが好きなんです。私、全部アニメはアニソンから入るんですけど、そのアニソンの音色のひとつひとつとか、歌声の哀愁とか、そういうところから入ってアニメを見てみるとか、そういう感じで来たんですけど、『ペガサス幻想』から『永遠ブルー』『ソルジャードリーム』で惚れて、漫画を読んで、いよいよアニメを見てっていう感じだったので、「伝説」をどんどん目の当たりにしたというか。
――「伝説」を。
中川 はい。この間、香港に行ったら、星矢のコスプレや黄金聖闘士のコスプレも全然、現在進行形でしてるし。世界でこんなに盛り上がってるし。そんなアニメは他にないですよ。しかも私、東映アニメのオープニングを歌うのが最強の夢だったんですけど、それが今回叶ちゃったっていう。まさに『永遠ブルー』の歌詞じゃないですけど、「どんな夢も信じれば叶うよ」っていう。
――でも、自分の思っていた最強の夢が叶ってしまうと、次はどうしましょうね。
中川 怖いですね(苦笑)。実は今年デビュー10周年なんですけど、なぜか結構、迷っていて。どうしよう、どうしようって思ってたんですけど、突然、神様からのプレゼントがあって。今年アジアツアーがあって、アジアでは『聖闘士星矢』って大人気だから、『ペガサス幻想』を日本語で歌ってもみんな歌えるくらいなんですね。
――『聖闘士星矢』がそこまで世界中の人の心を打つ理由はなんだと思いますか?
中川 やっぱり熱さと努力と強い思いがあれば、夢を掴むことができるっていうポジティブさ。傷ついても前に向かって進んで行くところ。人間だからこそ在るべき根本的な大事なところを教えてくれてる。アニメを見たら興奮したいですからね。必殺技も派手で、美しい人がたくさん出てくるし、歌も五感で感じることができる。いや、セブンセンシズですね。「車田先生の脳の一部に『中川翔子』という存在が刻まれているという事実が……、もう大混乱ですね!」
――今回の主題歌に関しては、車田先生も「中川翔子さんの歌声を聞いた時はまさしく新世紀の星矢のトビラが開いた衝撃を受けました。新たな光をよろしく頼みます」と、激励の言葉を贈られていました。
中川 車田先生! 『リングにかけろ』のあの車田先生! もう車田先生という、す、す、凄すぎる車田先生の脳の一部に「中川翔子」という存在が刻まれているという事実が……、もう大混乱ですね! ありがたすぎてしまいます。車田先生も『星矢』のことはホントに大切になさってるし、永遠に『聖闘士星矢』は続いていくと思うし。
――そうなっていくでしょうね。
中川 羨ましいのは、例えばブルースリーが流行ってた時は、みんなでヌンチャクを作ったのと同じで、当時の『星矢』のブームの時に、「みんなダンボールで聖衣を作ってた」とかって聞くと、いまの世の中ってそういう熱さはないじゃないですか。
――はいはいはい。
中川 だから『星矢』みたいなバトルモノだったり、必殺技を叫んでとか、主題歌だけでわかるとか、そういうアニメとして大切なものが全部詰まっているのが『聖闘士星矢』だと思うんですけど、それがまたこの21世紀にようやく来てくれたっていう感じですね。しかも、今度は親子で見れるわけだし、それって素晴らしいことだし、いまの子どもだって絶対に『聖闘士星矢』って知るべき世界だから、『Ω』から入ってまたそうなっていくのって絶対に素晴らしいことだと思います。だから、いい世の中になったんだなぁって率直に感動しています。
――ああ、確かにそうかもしれないですね!
中川 私の子どもの頃はアニメもゴールデンタイムでもやってましたけど、いまは深夜がほとんどだから、私はいい時代だったんだなって思うんです。でも、アニソンがオリコンのランキングに入るようになったっていうのも、アニメ自体が大人の楽しむものになってしまったんだなと。それって、いいことなんだけど、いまの子どもたちが楽しめるアニメがないと、そういうものを見ないで育っちゃう大人ばっかりが増えることになるから、そこに懸念がある気がしていて。つまり、そこに光を射すのは日曜の朝に放送されるニチアサキッズタイムだと思うんです。私、絶対にあの時間にアニメを見る子どもを産みたいんですね(笑)。
――なるほど、なるほど(笑)。
中川 本当は、いま子どもがいればいいんですけど……(笑)。
――お母さんが画面のなかにいるわけですからね。
中川 なにも言わずに「お母さん、実はアテナなんだよ」ってバラしたいですね。
――なにも言わずに!(笑)
中川 物心がついて3歳か4歳になったら、その発言で脳にビックバンが起きるくらいの衝撃を与えたいなって思うので……(笑)。だから、いま人生が不思議な感じですね。凄くありがたいです。
――周囲の評判はどうなんですか?
中川 やっぱり30代の方々から凄く反響があって。「沙織さん!」って呼ばれてます。だから、「馬になりなさい!」って返してあげたいですね(笑)。まだ言ってないけど……。もう言わないでしょうね、沙織さんは(笑)。そのくらい荒ぶってほしいですけど。あ、私、黄金聖衣をまといたいです。
――アテナには自分の聖衣がありますけどね。
中川 今回の『Ω』ではどうなるんでしょうかね? 魔法少女モノみたいですよね。聖衣を背負うんじゃなくて、ペンダントのなかに入ってるわけだから。
――これから明かされていくんでしょうけど、おそらく理由はあるんでしょうね。
中川 たまに(聖衣箱を)背負ってる聖闘士も出てきてほしいですね。あの感じと聖衣の重さが好きなんです。
――ホント『星矢』の世界観を理解されてるんですね。中川 私だけじゃなく、『星矢』好きの人って、みんなそれぞれの好きなポイントを持ってる気がしますね。「こうだから『聖闘士星矢』は凄いんだ!」って。アニメってもし自分が死んだとしても地球がある限り残っていくものだから、とんでもなく凄いことなんですよね。
――確かにそうですね。
中川 だから絶対にそれを見て育ちましたっていう子が出てきてほしいし、まだ産まれていない人がいつか見るかもしれないし……、だから尊敬というか、これ以上ないくらいのを敬意を持って臨みたいなって思います。
――今日の話を聞けただけで、その思いはもの凄く伝わってきます。
中川 私、思うんですけど、世界中の人たちが言葉や世代をを超えてアニソンによって笑顔になって元気になれる。大袈裟じゃなく「世界平和」な存在だと思うんです。凄いと思うんですね。だからその分、責任を感じながら『ペガサス幻想』は絶対に変なふうにはしたくないから、頑張って真剣に歌いたいなと思います!
――ここまでの話だけでも十分それは伝わってきたんですけど、最後に、あらためてユーザーへのメッセージと意気込みを。
中川 私、第2話までのアフレコで、とりあえずお休みになってしまったので、その後の展開は、私もみなさんと同じようにテレビで楽しみに見る感じなんですけど、久々にこんな朝早起きしてリアルタイムで見たい作品ができて。しかも、いまはネットで実況しながらみなさんと興奮しながら見れるじゃないですか。私も第1話の時は実況しながら見たんですけど、そういう楽しみ方ができるので、是非お父さんも早起きして、子どもにちゃんと人の持つ小宇宙の力を教えるべく、「昔はこうだったんだよ」っていう知識を教えながら、さらに『Ω』から昔の『星矢』も見せて、立派な大人に育て上げてほしいです。
――ホントそうですね!
中川 やっぱり次世代の大人たちには、『聖闘士星矢』の持つ世界というか、あの頃の熱さを宿してほしいので、今回の『Ω』はホントに素晴らしい取り組みだと思います。そして、私はアテナなので、普段の生活からしっかりと力強く、真面目に生きたいなと思います!